家政婦のかくれんぼ

家政婦が、ご主人様とかくれんぼ。もし見つかったら…どんなことされちゃうの!?

こんにちは!私は家政婦のはるかです。
今日の派遣先は、とても大きなお屋敷に一人で暮らす男性のお家。
代々続く大地主さんなんだって。莫大な財産……正直羨ましい!
ご両親は引退されて、海外で悠々自適な生活をしているんだとか。
ご主人様は、ご結婚はされておらず、ずっとお一人でやってこられたようです。
ひと月ほど前に、専属で勤めていた家政婦さんが辞めてしまって、今は、新しい家政婦さんを探しているそうです。
その、新しい家政婦さんが見つかるまでの間、派遣の家政婦を利用するということで、私が担当になったというわけ。
さっきからずっと、ご主人様のお屋敷の塀に沿って歩いているんだけど、門までの距離がすごい。本当に大きなお屋敷……
「ふぅ、やっと着いた!」
家の鍵は預かっている。私は門の鍵を開け、中に入った。広大な庭が広がっている。ここからお屋敷まで、また距離がすごい。
やっとお屋敷の勝手口にたどり着くと、また鍵を開ける。
「失礼いたします。家政婦のはるかでございます」
声をかけてから中に入る。そして、使用人用の小部屋に入り、まずは着替えだ。
このお屋敷では、メイド服で働くことになっている。
変な趣味かと思うかもしれないが、そうじゃない。このお屋敷には、それが自然なのだ。
お屋敷は巨大だし、格調が高く、すごく雰囲気があるから、メイド服も違和感がない。むしろ、カジュアルな服装でいると浮いてしまう。
着替えが済むと、いつもご主人様のいる居間へと向かう。
「失礼いたします。はるかでございます」
「ああ、待ってたよ」
「何かご用事はありますでしょうか?」
時々、ちょっとした買い物を頼まれたりするんだけど、基本的には、掃除と洗濯が私の仕事だ。
「今日はいつもの仕事はしなくていい。私の相手をしてほしいんだ」
「えっ……あ、はいっ、かしこまりました」
そんなことを言われたのは初めてだった。
「今日は、はるかくんと楽しく過ごしたい気分なんだ。この屋敷で、私とかくれんぼをしよう」
「か……かくれんぼですか!?」
「そうだ。私が鬼で、君が隠れるんだよ」
「はあ……」
「それじゃあ、私はこの部屋で百数えるから、はるかくんは、この屋敷の中のどこでも好きな場所にかくれなさい。途中で移動しても構わない。数え終わったら探しにいくよ」
そう言うと、ご主人様はソファに深く腰掛けて目を閉じ、数を数え始めた。
ご主人様は、本気らしい。
ご命令とあらば……家政婦はるか、なんでもやります!
気合の入った私が部屋を出て行こうとすると、ご主人様が言った。
「制限時間は3時間。広間の大時計の、正午の鐘がなるまでとしよう。もし最後まで見つからなければ、賞金を出すよ」
「賞金……ですか!?」
「ああ。もちろん、会社は通さずに、君に直接。その方が本気で楽しめるだろう?」
「はぁ……それは……まあ……」
燃えてきた。俄然、燃えてきた!
「よし、決まりだ。さあ、隠れておいで」
ご主人様はまた目を閉じ、数を数え始めた。
「では、行ってまいります!」
私は居間を出て、廊下を突き進んだ。この巨大な屋敷には、隠れる場所が山ほどある。見つからない自信はあった。
私は、いくつもある部屋の中のひとつに入ると、クローゼットの扉を開けた。
ここは先代の奥様の部屋らしく、広いクローゼットの中にはぎっしりと服……というかドレスがかかり、奥まで見えないほどだ。
私はクローゼットの扉を閉めた。真っ暗になったが、目が慣れてくると、扉の隙間から漏れる光だけでよく見えるようになった。
ドレスをかき分けて奥に進み、いくつかある、大きな高級ブランドの衣装箱のひとつを開ける。中に入っている服を出して、代わりに自分が中に入り、蓋をした。窒息しないように、服を挟んで蓋が完全に閉まらないようにしておく。これでよし。
ここならきっと、見つからないわ──

大時計の鐘の音で、目が覚めた。
どうやら、隠れているうちに眠ってしまったらしい。
窮屈な箱の中で眠ってしまったから、体が痛い。
10時か、11時か、どっちだろう……鐘の音の数は数えられなかった。ちなみに、正午の場合はメロディが流れるからすぐに分かる。
私は耳をすました。人の気配はなさそうだ。そっと箱から出て、音を立てないように、ゆっくり、慎重にクローゼットの扉を開ける。
部屋の時計を見ると、11時だった。
よし、あと1時間だ。
私はクローゼットの扉を閉め、また箱の中に戻った。
このままここに隠れていよう──と、その時、微かな音が聞こえた。心臓が跳ね上がり、思わず息を飲む。
部屋の扉が開いた。床のきしむ音──ご主人様が、部屋の中を歩き
回っている!
心臓の鼓動が早くなり、息が苦しくなる。
ああ、見つかっちゃう!でも、大量のドレスをかき分けて、奥までくるかしら?大丈夫、ここまではこないはず……そうよ、大丈夫、絶対に……って、そんなに怖がらなくてもいいのよね、単なるかくれんぼなんだし。もし見つかっちゃっても、賞金がもらえないってだけなんだから……あ、そういえば……見つからなかったら賞金だけど、逆に、見つかったら何かあるのかしら……
なんだか嫌な予感がしたその時、クローゼットの扉が開く音がした。
来た!ああ、どうしよう、お願い、こっちに来ないで──!
緊張のあまり、体が震え出した。
だめっ、震えたら音が出ちゃう──私はギュッと縮こまり、体に力を入れた。
服の擦れる音が近づいてくる。そして──衣装箱の蓋が開いた。
「みーつけた」
ご主人様はそう言うと、いきなり私の腕を掴み、私を衣装箱から引きずり出した。
「ごっ、ご主人様っ──」
私は訳もわからず、引きずられながらご主人様を見上げた。
「えっ……やっ、いやぁああっ!」
なんと、私を引きずっているのは巨大な鬼だった。
服はズタズタに破れ、赤黒い皮膚があらわになっている。頭部には毛がなく、太い角が2本生えていた。
鬼は、私を部屋の大きなベッドに投げ出すと、襲いかかってきた。
メイド服も下着も全て引きちぎられ、私は犯された。
何度も、何度も……
恐ろしいのに、死ぬほど気持ち良くされて、頭がおかしくなりそうだった。
そのうちに、私は気を失ってしまった。

気がつくと、私は別の部屋の清潔なベッドに寝かされていた。
服は着ていなかった。
起き上がろうとしたのだが、めまいがして、ベッドに倒れ込んでしまった。体がすごく痛い。
「気がついたね」
すぐそばに、ご主人様がいた。
「あのっ、私は……どうして……」
ひとりでに、涙が出てくる。
「すまない。あの鬼は、私なんだ。うちは鬼の血を引く家系でね。男子は必ず鬼の血を受け継いでしまう……呪われた一族なんだ……」
ご主人様の説明は、驚くべきものだった。
ご主人様は鬼の血を引いていて、ときどき、狩猟本能が抑えきれなくなってしまうというのだ。
本来ならば、鬼は人間を追いかけ、捕まえて、喰らうという本能があるのだが、今の世で、さすがにそれはできない。
そこで代わりになるのが、女性を襲うことだった。女性を追いかけ、捕まえて、犯すことで、欲望が満たされるのだという。
「私は子供を持つつもりはない。こんな忌わしい家系は私で終わりにするつもりなんだ」
ご主人様は寂しそうに言った。
「ただ……私の中の鬼の欲望は、自分の意思で抑えきれるものじゃないんだ。今日、君にさせてもらったように、冷静でいられるうちに欲望を満たさないと、自分が何をしてしまうかわからない……本来の、恐ろしい欲望が出てしまうかもしれない。それで……はるかくんに頼みがある」
ご主人様はすがるように言った。
「私の専属の家政婦になってもらえないだろうか。そしてときどき、今日のように、かくれんぼに付き合ってもらいたい。もちろん、それに見合った報酬は出すつもりだよ。掃除や洗濯は他の家政婦を雇うから、君は、うちで好きなように暮らしていてくれればいい……」
私は迷った。ご主人様が提示した報酬の額がすごかったというのもあるけど、正直、快感が忘れられなかった。
今日、鬼に犯されたのは本当に怖かったけど、それは鬼の正体も何も知らなかったから。
でも、鬼はご主人様だったわけだから、もう恐怖はほとんどなくなるわけだし、行為自体も、そこまで暴力的ではなかった。かなり激しかったから、体はボロボロになったけど……本当にいろいろすごくて……死んでもいいと思っちゃうくらい気持ち良くて……ああ、もう、私も欲望に逆らえそうにない。
「やります。私でよければ……よろしくお願いします」

というわけで、私は、派遣家政婦の会社を辞めて、ご主人様専属の家政婦になりました。
ご主人様とは、もう何度かかくれんぼを楽しんでいます。その度に、しばらく起き上がれないくらいになっちゃうんですが……その話は、また別の機会に♪

おわり