人間ペット3《誘惑編》

お金のために人間ペットになったルナ。ご主人様の出張中、部屋に来た使用人と…

ご主人様が海外出張に出かけてしまった。
ご主人様が出かけてから、今日で3日目……そう、まだ3日しかたっていないのだ。
それなのに、私は寂しくてたまらなくなっていた。ご主人様と、セックスがしたくてたまらない。
「ご主人様ぁ……」
天蓋付きの大きなベッドの上で、私は枕を抱きしめた。そして、指を秘部に這わせていく。
「んっ……あ……ああっ……」
ちなみに、ご主人様がいなくても、私はいつも通り、裸に首輪だけという格好で生活している。だからかもしれない。裸でいると、シーツやクッション、椅子などはもちろん、空気でさえも──とにかく、肌に触れるもの全てから、性的な刺激を感じてしまうため、常に発情した状態になってしまうのだ。
「あっ、はぁっ……」
快感が高まってくるのがわかる。ああっ、もうイク──と、その時だった。部屋の扉がノックされた。
「はっ、はい!」
私はあわてて起き上がり、返事をした。
裸を見られるのにはもう慣れたが、さすがに、自慰行為を見られるのは無理だ。
「失礼します。リネン類のお取り替えに参りました」
使用人がワゴンを押しながら部屋に入ってきた。
「えっ……」
私は枕を抱き寄せ、思わず裸体を隠した。使用人は、若い男性だったのだ。
今まで、この部屋に来た使用人はみんな女性で、男性が来たのは初めてだった。
使用人は、タオルの交換を終えると、言いにくそうに言った。
「あの……ベッドの……シーツなどを取り替えたいのですが……」
「あ……すいませんっ」
私はあわててベッドから降りた。
すると、使用人は、裸の私を見て驚いたように目を見開いた。
「あ、あんまり見ないでください……私の仕事のこと、知ってますよね」
「あっ、すいませんっ」
使用人は目を伏せ、シーツの交換を始めた。
「申し訳ありませんでした。その……まだ仕事に慣れていなくて……」
「このお屋敷に来たばかりなんですか?」
「はい。あ、俺は……」
使用人はかしこまって言った。
「今日からルナ様のお部屋を担当することになりました、トウヤと申します。どうぞよろしくお願いします」
「あ……はいっ、よろしくお願いしますっ」
この屋敷に来てから、ご主人様以外の人間とほとんど会話をしていなかった私は、トウヤとの会話に喜びを感じていた。
今までこの部屋に来た使用人は皆、黙々と作業をするだけで、話しかけてくることなど一度もなかったのだ。
「では、失礼します。何かございましたら、いつでもお申し付けください」
そう言って部屋を出て行くトウヤを、私は名残惜しい気持ちで見送った。

しかし、嘆くことはなかった。私の部屋担当になったトウヤは、日に何度も私の部屋を訪れるようになったのだ。
リネン類の交換、部屋の掃除、そして三度の食事の時間には、必ずトウヤがやって来る。
私は、トウヤが部屋に来るのが楽しみになっていた。トウヤが、私の裸を見ても全く気にしない様子で、気さくに話してくれるのも嬉しかった。
「へぇー、面白そう! あとで読んでみるね!」
「本当? あ、でも……どうやって? 誰か、使用人に頼むの? 俺が買ってこようか」
「あ、ううん、パソコンで買えるから大丈夫だよ。本とか映画とか、暇だから、見まくってるんだ」
「ネット、繋がってるんだ」
「うん。でも、機能は制限されてるよ。外部との連絡はできないようになってる」
「そっか……なんか、すごい仕事だよね……人間ペットって……つらくないの?」
「全然、つらくはないよ。むしろ、楽しいくらい。部屋は快適だし、読書も映画もゲームもできるし、ゴハンもおいしいし」
「ふうん……」
トウヤは納得できない様子だった。
「でも……ご主人様にいやらしいことされるんだろ……ていうか、それが目的だよね。その……裸だし……」
「あ……うん……まあ……」
私は口ごもった。しかしトウヤは、身を乗り出して言った。
「どんなことされるの?」
「え……どんなって……それは……」
「嫌じゃないの?」
「えっと……うん、まあ……嫌ではないかな……ご主人様のこと、好きだし……」
「えっ、待って、好き? じゃあ、愛人ってこと?」
「ううん、違う違う。私はただ、契約の1年間、ご主人様を楽しませるためにここにいるだけ。私が勝手に、ご主人様のことを好きになっちゃっただけだから」
こういうことは、他人に話すと実感が湧いてきたりするものである。
私はすごく切ない気持ちになってきた。ご主人様に会いたくてたまらない。
「じゃあ……寂しいでしょ。ご主人様、長いこと出張だから」
トウヤはそう言うと、ベッドに座っていた私の横にくっついて座り、私の頭を撫でた。
「えっ……あ、うん……」
近すぎる。そして、唐突なスキンシップ。私は体を固くした。嫌な予感がする。
私の頭を撫でるトウヤの手の動きが、どんどんあやしくなってきた。軽く耳に触れたり、首筋に触れたりしながら、少しずつ、官能的になっていく。

まずい──気持ちよくなってきた。
今は契約中の身で、私はご主人様のものなのだ。
だけど、こんなの久しぶり──つい、快感に身をゆだねたくなってしまう。
「ルナ、かわいい……」
トウヤはそう言うと、私の肩に手を回し、私を抱き寄せた。
「ちょっ、ちょっと待って、だめっ……」
私はあわててトウヤを突き放した。
「いいじゃん、ちょっとくらい……ね?」
「だめだよ、だめに決まってるでしょ」
「本当に?」
トウヤは私の頬に触れ、そのまま指を滑らせて唇を撫でた。思わず、甘いため息がもれてしまう。
「かわいい。ルナはわかりやすいなぁ」
「べっ、別に、私は……んんっ!」
なんと、トウヤがいきなり、私にキスをしたのである。
「んっ……んんっ……」
トウヤの舌が深く差し込まれ、官能的に動き回る。だめだ……体に力が入らない。頭がぼんやりして、とろけそうで……もう、なにをされても抵抗できそうにない──
と、その時、電子音が鳴った。トウヤの携帯電話だった。
「はい。わかりました」
トウヤは電話を切ると、残念そうに言った。
「ごめん、仕事頼まれた。もう行かなくちゃ……でも今夜、絶対また来るから、待ってて。ゆっくり続きをしよう」
呆然としている私を残して、トウヤは部屋を出ていった。
「ああ、どうしよう……キスしちゃった」
私はベッドに倒れ込んだ。秘部に手を伸ばしてみると……やっぱり、すごく濡れている。
拒絶できなかった。電話が来なかったら、最後までしてしまっただろう。
「しっかりしなくちゃ。こんなの……だめ……なんだから……んっ……ごめんなさい……ご主人様……」
私は濡れた秘部を指で刺激し、高ぶってしまった気持ちを自分で慰めた。

夜になると、トウヤがやってきた。
「ルナ! 会いたかったよー」
そう言って、抱きしめようとしてきたトウヤを、私は制止した。
「だめ、やめて!」
「え、どうしたの? さっきはすごく感じてたのに……」
「そっ、それはトウヤくんが……とにかく、もうやめよう。ご主人様を裏切るようなこと、できないから」
「そんなの無理だよ」
「やっ、なにするの!」
トウヤが私を押し倒した。私は逃げようともがいたが、トウヤの方が力が強い。
「頭がおかしくなりそうだったよ。毎日、目の前に裸の女の子がいるんだから……平気なフリしてたけど、俺はずっと欲情してたんだ」
「そんなこと言われてもっ……仕事……なんだからっ……お願い、離して!」
「ルナだって、さっきはして欲しそうだったじゃないか。バレなきゃ大丈夫だよ。ね、いいだろ?」
トウヤは私の上に覆いかぶさり、体を使って私を押さえつけると、自由になった手で私の秘部を乱暴にまさぐった。
「ああ、すごく濡れてるじゃないか」
「違うのっ……んっ、だめぇっ……」
「好きだよ、ルナ……めちゃくちゃにしてあげる。死ぬほどイかせてあげる」
トウヤはそう言うと、ズボンのファスナーを下ろし、熱くいきり立ったものを私の秘部に押し当てた。
「だめ……やめて……」
私は理性をふり絞り、か細い声で訴えた。しかし、その言葉とは裏腹に、私の下半身は押し付けられた熱くて固いものを痛切に欲しがっていた。
「これが欲しいんでしょ……」
トウヤはその先端を、じらすように動かした。入りそうで入らない、そんな動きを繰り返す。
「はぁ……はぁ……だ……め……」
「お願いしてごらん。そうしたらこれをぶち込んで、めちゃくちゃにかき回してあげるよ」
「んっ……はあっ……」
もうだめだ──入れて欲しくて、たまらない。
「と……トウヤくんお願い……入れて……もうだめ……早く……欲しいの……お願い、入れてぇ……」
誘惑に負け、私がほとんど泣きながら懇願したその時だった。
「何をしている!」
──ご主人様だった。

トウヤが私の部屋担当になったのは手違いだったと、後になって知った。
その後、トウヤがどうなったのか、私は知らない。

人間ペット4に続く