二人の物語

同じクラスの女子がこっそり官能小説を読んでいた!
それを見つけた男子は…
《読了時間の目安:21分》

昼休み。
川嶋ミチルは図書室の隅の席に座り、夢中で文庫本の文字を追っていた。
すると突然、うしろから声がした。
「ふーん、すごいの読んでるねぇ……」
ミチルがあわてて本を閉じ、振り返ると、そこには同じクラスの木崎エイタが立っていた。
「びっ、びっくりしたっ。きっ、木崎くん……なっ、なにっ、急に……」
かなり動揺した様子のミチルを見て、エイタはニヤニヤしながら言った。
「だから、すごいの読んでるなぁーと思って」
「えっ……なっ、なんのこと? べっ、べつに、わたしはっ……」
ミチルは立ち上がり、その場から去ろうとしたが、エイタはその腕をつかんで言った。
「待ってよ。もうちょっと話そうよ……川嶋って、そういう本が好きなの?」
「なっ……なに言ってるの」
「とぼけてもだめだよ、もう見ちゃったもん。それ……エッチな小説でしょ?」
「ちっ、ちがうよっ……そんなんじゃないもん!」
ミチルは顔を真っ赤にして否定した。
「じゃあ見せてよ」
「えっ、だめっ……」
「なんで?」
「それは……だって……あの、プッ、プライバシーよ! もういいでしょ、離して」
ミチルはエイタの手を振りほどいた。
「わっ、わたし、もう行くから……」
「──クラスのみんなに話しちゃおっかなぁ」
「──!」
エイタの挑発するような言葉に、ミチルはその場で固まった。
「川嶋がエッチな本読んでたなんて聞いたら、みんな驚くだろうね。真面目そうな川嶋が──」
「やっ、やだっ、やめてよ!」
「じゃあ、その本貸して」
「なっ、なんで……」
「俺も見たいから。渡さないなら、クラスのみんなに──」
「わっ、わかったよ、もう……」
エイタに言いくるめられ、ミチルはしぶしぶ、本を渡した。
「ふーん……うわっ、すご……こんなのが学校の図書室にあっていいのかぁ?」
「それは……でっ、でも、学校の図書室にあるってことは、有害な本ではないってことだと思うけど?」
「なら、みんなに言ってもいいんじゃない?」
「それはだめっ!」
「フフン、おもしれー」
エイタはニヤリと笑って言った。
「今日の放課後、ここで待ち合わせな」
「は? なんでよ……」
「だって俺、川嶋に興味あるっていうか……もっと話したいんだもん」
「え……なっ、なに言ってんの? そんなの、行かないわよっ」
するとエイタは、ミチルの前に本をちらつかせて言った。
「来なかったら、みんなにこの本のこと言いふらしちゃうけど?」
「ちょっと! そんなの卑怯じゃない!」
ミチルは本を奪い返そうと、エイタにつかみかかった。
しかし、エイタはミチルの攻撃を軽々とかわし、まったく捕まらない。
そのうちに、昼休み終了五分前のチャイムが鳴った。
「あ……んじゃ、そういうことで」
エイタはそう言い放つと、ミチルの腕をすり抜け、奪った本を貸し出しカウンターに持って行った。
「かっ、借りてるっ……」
ミチルは、最悪の展開になってしまったことを実感し、よろめいた。
放課後。
ミチルは図書室にやって来た。
見渡すと、エイタはすでに来ていて、ミチルに向かって手をふっていた。
「フフフ……ちゃんと来たなっ」
「ふん……」
「あれ、怒ってる……?」
「当たり前じゃない! その本をネタに、わたしをゆする気なんでしょ?」
「そんなことは……でも、まぁ……実際そうなっちゃってるか」
エイタは悪びれた様子もなく、にこにこと笑いながら言った。
するとミチルは、そんなエイタに向かって、毅然とした口調で言った。
「だから、わたし考えたの」
「え?」
「……クラスのみんなにバラすって言ってたけど、勝手にしていいから」
「えーっ、なんでだよ!?」
エイタが驚いているのを見て、ミチルは得意そうに言った。
「知らないって言い張ればいいもの。何も証拠はないわけだし。みんな、木崎くんの言うことなんか信じないわよ。ふふん……これでもう、わたしを思いどおりにはできないわね!」
「なっ……」
エイタの顔に焦りの色が浮かぶ。
「じゃあ、わたし、もう帰るから」
「まっ、待てよ!」
エイタがあわててミチルの腕をつかんだ。
「ちょっと、離してよ」
「いや……えっと……本当に言っていいのか?」
「いいけど?」
「ほんと?」
「なっ、なによ……しつこいわねぇ、いいって言ってるでしょ」
「じゃあ……」
エイタはわざとらしく声をひそめて言った。
「川嶋は、縛られて無理矢理犯されるのが好きだってみんなに……」
「ちょ、ちょっと、やだ、なに言ってんの!?」
「だってこの本、そういう内容だろ?」
「そ、そ、そそそそ、それは……そうかもしれないけどっ……なんでわたしがそういうの好きだってことになっちゃうのよ!」
ミチルの顔は真っ赤に染まっていた。
形勢逆転を確信したエイタは、余裕の笑みを浮かべ、畳み掛けるように言った。
「でも、夢中で読んでたじゃん……好きなんだろ?」
「ちっ、ちがうもん!」
「そういうふうにされたいんだ?」
「ちっ、ちが……」
「みんなに言っていいんでしょ?」
「それは……だめっ……」
「へへ……だからさ、今日だけ俺に付き合ってよ。そうしたら、この本のことはさっぱり忘れるから。もちろん、誰にも言わないし」
「……ほ、ほんとに?」
「もちろん!」
「……約束できる?」
「うん、絶対。約束する!」
「じゃあ……わかった……絶対、絶対、約束だからね?」
「うん!」
「で……? 付き合うって、なにするの?」
ミチルは、あきらめ顔で言った。
小説H
小説:二人の物語
「こっち。ついてきて」
エイタはミチルの腕を引っぱり、図書室の奥へと連れて行った。
「ここ?」
「そう……」
エイタはキョロキョロと周りを見回し、誰も見ていないのを確認すると、壁にある扉を開けた。
「入って」
「う、うん……」
エイタはミチルの後に続いて自分も中に入ると、音を立てないように、そっと扉を閉めた。
「ここは……?」
ミチルは小さな部屋を見渡して言った。
「わかんないけど……倉庫みたいなもんかな? 今はほとんど使ってないみたいだけど」
「ふーん……」
部屋の中には古そうなダンボール箱が少しあるくらいだった。
「でも……使ってない割には、キレイだね……」
「あぁ、それは、俺がたまに使ってるからかも。秘密の場所みたいで、気に入ってんだ」
「そうなの……」
「中から鍵がかけられるんだぜ」
そう言って、エイタは内側から扉に鍵をかけた。
「えっ、なんで閉めるの」
「そりゃ、誰かが急に来たら困るだろ?」
「あ、そっか……確かに、木崎くんと二人でいる所は見られたくないかも……」
「え、なんで?」
「だって、変なウワサになったら嫌でしょ」
「そうか? 俺は、そんなことないけどな……」
「え……」
複雑な気持ちが絡み合い、一瞬、時が止まったようになる。
「とっ、ところで……ここでなにするの?」
気まずい空気に耐えきれず、ミチルは努めて明るく言った。
「え、あ、あぁ……うふふ……コレを使いまーす」
「うえっ……」
ミチルはエイタが取り出した物を見て顔をしかめた。
それは、こんなことになる原因になったあの本だった。
「それを……どうするの」
「んふふ……二人で一緒に読もうと思ってさ」
「な……なに言ってんの……やだよ、意味分かんない……」
「まあまあ。二人で読むのも面白いと思うよ?」
「やだ」
「今日は付き合うって、約束でしょ」
「う……」
「じゃあ……はいっ、ここに座って」
エイタはミチルを部屋の角に座らせ、自分もその隣に座った。
「ちょ、ちょっと……近い……ってゆうか、キツい」
エイタは、ミチルの横にぴったりとくっついて座っていた。
ミチルは部屋の角に追いつめられた形になり、それ以上ずれることができない。
「いいじゃん、くっつかなきゃ一緒に読めないもん」
「えぇっ……」
「じゃあ、始めるよ。えっと、ここから」
エイタはミチルの訴えを無視し、本の朗読を始めた。

男は、由梨江をベッドの上に転がすと、服の上からその体中をなでまわした。
由梨江はもがいたが、目隠しをされ、手を後ろで縛られているためほとんど抵抗できない。

エイタが朗読を始めると、ミチルの顔は、恥ずかしさで真っ赤に染まった。
それは、誰にも見せたくない、心の奥底に土足で踏み込まれたような気分だった。

「ずっとこうしたかったんだ──」
男は由梨江のブラウスに手をかけると、力を込めて、一気に引き裂いた。
ブラウスのボタンが飛び、由梨江の上半身があらわになる。

エイタはここで朗読を止め、ミチルに言った。
「由梨江のセリフは川嶋が読んで」
「えっ、やだっ」
「もー、ここまで来たらあきらめなよ。それともまた、川嶋の立場について説明しなきゃだめ?」
「ううっ……」
結局、今日のところはエイタに従うしかない、という結論に達するのである。
ミチルはしぶしぶエイタの命令に従い、由梨江のセリフを読んだ。
「えっと……やめて、おねがい、やめて」
すると、エイタは信じられないという顔で言った。
「ちょ、ちょっと、なにそのテキトーな読み方!」
「えー、いいじゃん、べつに……ちゃんと読んだんだから」
「あ、あのねぇー」
不満いっぱいな表情のエイタに対し、ミチルは得意顔である。
「フン……そういう態度なら、こっちにも考えがある」
エイタはそう言うと、本を置き、突然、ミチルを抱き寄せた。
「やっ、やだっ、なにするの! やめてよっ」
「しーっ。大きい声出すと、図書室に聞こえちゃうよ」
「あ、ごめ……じゃなくて! 離れてよっ」
しかし、エイタはミチルをしっかりと抱きしめて離さなかった。
ミチルがもがいても、びくともしない。
「ねえ、木崎くんってば! えっ……ちょ、ちょっと!?」
ミチルはあわてた。
エイタは片手を伸ばし、ミチルの足に触れたのだ。
しかも、エイタはその手をゆっくりとすべらせ、スカートをたくし上げていく。
エイタの手の感触は体の奥まで響き、ミチルをゾクゾクさせた。
ミチルは変な声が出てしまいそうになるのを必死に抑え、震える声で言った。
「やっ、やだっ……やめて……おねがい……やめてよ……」
すると、エイタはパッと手を離し、ほがらかな笑顔で言った。
「そうそう、やればできるじゃん」
「……!?」
「セリフ! そういう感じで読んでくれればいいんだよ」
「えっ……そっ、そのために、あんなことしたの!?」
「そうだよ。だって、ちゃんと読んでくれないんだもん」
「信じられない……」
「止まんなくなりそうでヤバかったけどね」
「え?」
「さっ、続きを読むよ!」
エイタは朗読を再開した。

由梨江の懇願は、男の欲望をさらに増幅させるだけだった。
男は由梨江の乳房を乱暴に揉んだ。
ブラジャーをずらすと、豊かな乳房はぷるんと揺れて、男の前に飛び出してきた。
「ずっとこうしてほしかったんだろ?」
男は、両手で由梨江の乳房をわしづかみにして激しく揉み、そして、乳首にむしゃぶりついた。

「……ほら、川嶋の読む番」
エイタが小声で言った。
「う、うん。えっと……いやっ、んんー、いやぁ、ううー、ああー」
セリフを読んだミチルは、エイタが微妙な表情をしているのを見て言った。
「べっ、べつに、適当に読んだわけじゃないよ! うまく読めるわけないよ、こんな変なセリフ……」
「まあねぇ……そうだ、また試してみる? さっきみたいに。そうしたら、いい声が──」
「だっ、だめだよっ、だめ!」
「ちぇっ……まあ、仕方ないか。じゃあ、続きを読もう」
そう言って、エイタは続きを読み始めた。
しかし、ミチルの頭の中は別のことでいっぱいだった。
(また試してみるかって……「うん」って言ったら、ほんとにするつもりだったの? 本と同じようなこと……)
ミチルは本を読むエイタの顔を盗み見た。
(木崎くんがわたしに……)
ミチルの頭の中に、本に書いてあるような過激な妄想がどんどん広がっていく。
ミチルは、体の奥がうずき、熱くなるのを感じ、そっと、苦しげな息を吐いた。
「……ね、川嶋の番だよ」
「はっ?」
ぼんやりしていたミチルは、エイタに声をかけられ、我に返った。
「あ……ごめん、どこまで読んだ?」
「えっ、聞いてなかったの!?」
「う、うん……」
「なんだよー、ここだよ。由梨江が無理矢理キスされてるところ」
「あ、うん。じゃあ、読むね。……ん、んんっ、んーっ」
ミチルのセリフは相変わらず棒読みだったが、エイタは続けて朗読した。

由梨江がかたくなに口を閉じていると、男は由梨江のあごをつかんで言った。
「ちゃんと口を開けろ! 舌を絡めて、もっといやらしく……できるな?」
男の強い口調に恐怖を感じた由梨江は、必死にうなずいてみせた。
「よし……いい子だ」
男は再び、由梨江にキスをした。
由梨江は仕方なくキスを受け入れ、男と舌を絡め合った。
男はキスをしながら、由梨江の乳房を揉み、乳首をこねくり回した。

「んむ、ん、はぁ、はあん」
ミチルはエイタに言われる前に、由梨江のセリフを朗読した。
エイタも後に続く。

男を拒絶する気持ちとは裏腹に、由梨江の体には激しい快感がうずまいていた。
苦しみに喘いでいた声は、すっかり甘い響きに変わって──

「ふーん……」
エイタは朗読を止めて、首を傾げた。
「どっ、どうしたの?」
ミチルはいよいよ、こんな内容の本を読んでいたことをからかわれるのかと思い、身構えたが、そうではなかった。
「キスって、どんな感じなのかな」
「なっ、なに、突然……」
エイタが自分の唇を見ていることに気付き、ミチルはあわてて下を向いた。
「なんか、想像つかないんだよなぁ……そんなにいいもんなのかな?」
「えっ……さっ、さあ……わかんないよ。そんなの……したことないし……」
「……じゃあ、してみようか」
「はぁっ!?」
「キスさせて」
「なっ、ななな、なに言ってんの!?」
ミチルは、エイタがまたふざけているのかと思い、その顔を見上げた。
ところが、エイタの表情は真剣そのものだった。
「俺……キスなんかしたことないのに、なんだか、川嶋にキスしてくてたまんないんだよね」
「えっ……わ、わたしっ……!?」
「うん。俺、川嶋のこと好きだよ。知らなかっただろうけど、ずっと前から好きだったんだぜ」
「は……ウソ……」
「ほんとだって。俺は本気だよ。だから……俺と付き合ってほしいんだ。だめかな?」
「ええっ……」
突然の告白に、ミチルの頭は混乱した。
そういえば、エイタはなにかとミチルにちょっかいを出してきたし、よく話しかけてきた。
そんな時、ミチルは素っ気ない態度をとっていたが、実は、そうやってエイタと過ごす時間が好きだった。
しかし、ミチルはエイタに対して常に一定の距離を保って接し、その距離を縮めようとはしなかった。
エイタが自分のことなんて好きなはずがない、好かれてるなんて思ってしまったら、あとでつらい思いをするだけ──そう思っていたのだ。
だが、今は違う。
エイタははっきりと、ミチルを好きだと言ったのだ。
もう、不安に思う必要などない。
しかしミチルは、言葉を選ぶようにしながらゆっくりと言った。
「あの……気持ちはすごくうれしいけど……でも……」
「でも……?」
「だめだよ、わたしなんか……木崎くんには……もっと……お似合いの人がいると思う」
ミチルはそう言って、唇を噛んだ。
ミチルの後ろ向きな思いは根深く、どうしても、素直になれなかったのだ。
「そっか……やっぱ、俺じゃだめなんだな」
「ううん! そうじゃないの……そうじゃないけど……でも……」
「なんだよそれ……無理なら無理ってはっきり言ってくれよ」
「無理なんかじゃないけど、でも……」
「ごめん、俺もう我慢できない──」
エイタはそう言うと、ミチルの頬に両手をそえ、その唇にキスをした。
「──!」
ミチルはあわてて離れようとしたが、壁に追いつめられていて無理だった。
ミチルがじたばたしていると、エイタが少し唇を離して言った。
「そんなにしっかり口閉じてたらキスできないよ……力抜いて。えっと……なんだっけ……」
エイタは片手で本を開いて言った。
「そうそう、ここだ。ちゃんと口を開けて、舌を絡めて、いやらしく……ね?」
「や、やだ……何言って──」
ミチルは言いかけたが、エイタがその唇をふさいだ。
「んんっ……!」
ミチルは小さく声を上げた。
エイタの舌がミチルの口の中に侵入してきたのだ。
エイタの舌は、ミチルの反応を求めるように動いた。
「ん……んん……」
ミチルは、体中が熱くしびれるような、狂おしい感覚におそわれた。
その感覚はミチルの欲望を増幅させ、後ろ向きだった気持ちなど、簡単に吹き飛ばしてしまった。
(やっぱり好き……わたし、木崎くんが好きだよ……)
ミチルはエイタを求めるように、舌を動かし始めた。
ミチルが舌を動かすと、エイタの舌の動きにもさらに熱がこもり、二人は激しく舌を絡め合い、お互いを求め合った。
「ん……?」
エイタはミチルの頬が濡れていることに気付き、ゆっくりと唇を離した。
「……えっ、なっ泣いてる!? もしかして嫌だった!? ごめん! 俺、つい夢中で……」
ミチルの顔を確認したエイタは青ざめ、あわてて謝った。
しかしミチルは、照れ笑いを浮かべて言った。
「ちがうの、あの、なんて言うか……感動して泣いちゃって……」
「えっ……ほんとに? だいじょうぶなのか?」
「うん……それで……あのね、わたしやっぱり、木崎くんのこと大好き」
ミチルがそう言うと、エイタは期待と不安の入り交じった、複雑な表情を浮かべて言った。
「え……! マジで!? じゃ、じゃあ、俺と付き合って……くれるのか?」
「……うん」
「おっ……俺の彼女ってこと!?」
「そ、そういうことかなぁ……」
「そっ……そっか。はは……やった……やった──っ! ミチルぅ──!」
エイタはその顔を喜びでいっぱいにして、ミチルを強く抱きしめた。
「あ……キス……ってさ、いいもんだったよな」
エイタはミチルを抱きしめる力を少し緩め、言った。
「う、うん……なんか、すごかったね……」
「うん……それで、俺、もうひとつ気になることがあるんだけど……」
「なに?」
「あ、いや……ひとつどころじゃないかも……」
「え……?」
エイタは本を手に取り、真顔で言った。
「この本に書いてあること全部、したいんだ、ミチルと」
「えっ、やだ、なに言ってんの……」
「いいだろ……俺たち、恋人同士になったわけだし。……だめ?」
「ええっ……そう言われても……」
ミチルは顔を赤くして、口ごもった。
「あ、そっか……そうだよな。ごめん、聞いた俺が馬鹿だったわ」
「え……」
突き放したような言い方に、ミチルは不安な顔でエイタを見上げた。
しかし、その言葉とは裏腹に、エイタはイタズラっぽい笑みを浮かべていた。
「……ミチルは、強引なのが好きなんだよな?」
そう言うと、エイタはミチルに少し乱暴なキスをした。
「んっ……木崎く……」
「大丈夫……ミチルが本当に嫌がることはしないよ……」
エイタはそう言うと、キスをしながら、ミチルの胸に手を当てた。
「んんっ……!」
「大きい声出しちゃだめだよ……図書室に聞こえちゃうから」
エイタは制服の上からミチルの胸を揉んだ。
「ん……んんっ……木崎く……だめ……」
そう言いながらも、ミチルはほとんど抵抗しなかった。
エイタはミチルの制服のボタンを外し始めた。
「えっ、ウソ……ほんとに……?」
ミチルは不安げな顔で、ボタンを外すエイタの手をにぎった。
「だいじょうぶだから」
エイタはそう言って、手を止めず、ミチルのブラウスのボタンも外した。
「かわいい……」
白いブラジャーにつつまれたミチルの胸を見て、エイタはつぶやいた。
その幼い顔に似合わず、ミチルの胸は豊かに成長し、官能的な谷間を作っていた。
「そんなに見ないで……恥ずかしいよ……」
ミチルが言うと、エイタは答えた。
「まだまだ、もっとだよ」
そして、ミチルの背中に手を回し、ブラジャーのホックを外した。
「ん、あれ……んん……?」
エイタはブラジャーを外そうとしたが、肩ヒモがミチルの腕に引っかかって取れない。
「無理だよ、服、全部脱がないと取れない……」
「あ、そうなのか……じゃあ、このままでいいや」
エイタはそう言うと、ホックを外してゆるくなったブラジャーの下に手を入れ、ミチルの乳房を揉んだ。
「あ……うそっ……エイタくん……ああっ……」
「すごい……やわらかい……」
エイタが乳首を軽くつまむと、ミチルはピクンと体を震わせ、声をあげた。

「あんっ……あっ……ああっ……」
「乳首……気持ちいいの?」
ミチルの反応が激しくなったことに気付き、エイタは言った。
「そ、そんなこと……」
ミチルは恥ずかしそうな、困ったような顔をして、エイタから目をそらした。
「恥ずかしくて言えない? だめだよ……ちゃんと教えて?」
エイタはそう言って、少し強く乳首をつまんだ。
「はぁあんっ! ああっ……っはぁ……はぁ……ん……き……気持ちいい……」
「ん? 聞こえないよ……もう一回言って」
エイタは乳首をこねるようにしてもてあそびながら、意地悪く言った。
「ううっ……はぁ……気持ちいい……乳首……気持ちいいの……」
「ん、いい子だね」
エイタはミチルの頭をなで、頬や首すじにキスをした。
「今度はこっち──」
エイタはそう言うと、ミチルのスカートの中に手を入れ、ミチルの太ももに手を這わせた。
「だめっ、そんなとこ……恥ずかしいよ……」
ミチルは手を伸ばし、制止しようとしたが、その力はとても弱い。
エイタはミチルが本気で嫌がっていないことを悟り、もっと奥まで手を伸ばした。
「ああっ……あっ……やだ……」
エイタの手は、ミチルの秘部に到達した。
パンツの上から、その形をなぞるように、なでまわす。
「湿ってるみたいだ……もしかして……濡れてる……ってこと?」
エイタはそう言うと、ミチルのパンツの中に手を入れ、割れ目の奥に指を進めていった。
「やっ……だめ……そんなとこ……」
「すごい……ぬるぬるだ……ミチル……すっごく濡れてる……」
エイタはミチルを熱っぽく見つめ、指を動かした。
その動きに合わせ、グチュグチュと、卑猥な音がする。
「あっ、ああっ、はぁっ……だめっ……はぁっ……だめっ、待って」
ミチルは息を荒くし、体を震わせ、差し迫ったような声を出した。
しかしエイタは、ミチルの秘部をなで続け、さらに、もう片方の手で乳首を刺激した。
「やっ、あぁっ……やだ……どうしよ……はぁ、はぁっ……ああっ、んっ、んっ、ん──っ!」
ミチルは、信じられないほどの快感に襲われ、ビクンビクンと痙攣した。
「すごく感じてたね……もしかして……イっちゃった?」
エイタは手を止めて言った。
「はぁ……っはぁ……うん……そうだと思う……」
ミチルは快感の余韻に浸り、うっとりとした表情で答えた。
「そういうの、わかるんだ……ってことは、オナニーとかしてるのかな?」
エイタはそう言って、止めていた指を再び動かし始めた。
「えっ……そっ、そんなの……んんっ……ぁんっ……してないもんっ……」
ミチルは、エイタの指の刺激に喘ぎながら、必死になって否定した。
「ふーん……ま、今日のところは追求しないでおこう」
「なっ、なにそれっ……」
「俺もそろそろ、気持ちよくなりたいから」
エイタはそう言うと、ミチルのパンツを脱がせ、自分もズボンと下着を脱いだ。
「あっ……」
ミチルはあわてて目をそらした。
「ミチル、こっち向いて」
エイタが言う。
「でっ、でも……」
「見てよ……ミチルがすごくかわいいから、こんなに大きくなっちゃったよ。ホラ」
「えぇ……?」
ミチルは好奇心に負け、エイタの方を見た。
「うわ……」
「ね、すごいでしょ」
「う、うん……そんなになっちゃうんだね……」
「触ってみる?」
「えっ……でも……そんな……」
「触ってほしい……」
「わ、わかったよ……」
エイタのしゅんとした顔に負け、ミチルは恐る恐る、エイタのペ○スに手を伸ばした。
「ここ、にぎって……」
「あ、うん……」
「それで、こうして……こすってみて……」
ミチルは言われた通り、エイタのペ○スをにぎり、手を動かした。
「すごいよ……気持ちいい……ミチルが……俺の……にぎって……」
ミチルがこすると、エイタのペ○スはさらに大きくなった。
「ありがと、ミチル……」
「も、もういいの……?」
「うん、早く二人で気持ちよくなりたいから」
「二人で……?」
ミチルはこれから始まることを予期して、期待と不安に胸を高鳴らせた。
「ほら」
エイタは制服のポケットからコンドームを取り出した。
「そんなの、いつも持ってるの……?」
ミチルが驚くと、エイタは笑顔で言った。
「うん。いつかミチルと……って思ってたから」
「やだ……でも、ありがと。ちゃんと……いろいろ考えてくれてるんだ」
「まあね。ミチルのこと、大切にしたいからさ……」
エイタはそう言って、ミチルにキスをし、コンドームを付けた。
「いいよね……?」
エイタはミチルの目を見て言った。
「……うん」
ミチルはそれに応え、うなずく。
「じゃあ、ゆっくり入れるからね」
エイタはそう言うと、ミチルを寝かせ、その上に覆い被さった。
「いくよ……」
エイタはミチルの秘部に固くなったペ○スを押しあて、ゆっくりと力を入れた。
ぐっしょり濡れたミチルの秘部はよく滑り、ペ○スを自然と正しい位置に導いた。
「いっ……!」
ミチルが苦しげな声を出した。
ミチルの中に、ペ○スの先の方が少し、入ったのだった。
「痛い?」
エイタが動きを止め、心配そうに言った。
「うん……」
「……やめた方がいいかな?」
「ううん、だいじょうぶ……すごく痛いけど……入れてほしいから……」
「うん、わかった」
エイタはうなずき、またゆっくりと力を入れた。
「いっ……ううっ……う……」
「ああ……すごい……全部入ったよ……ミチル……だいじょうぶ?」
「うん……また痛いけど……すごく、うれしい……それになんだか……」
「どうした?」
「痛いんだけど……すごく気持ちいいの……奥の方が……こんなの初めて……」
「ほんとか? 俺もだよ……ミチルの中、すごく気持ちいい……」
エイタはミチルを抱き、頬にキスをした。
「嫌だったらいいんだけど……動かしてみてもいいかな……?」
エイタに聞かれると、ミチルは恥ずかしそうに答えた。
「……いいよ。もうそんなに痛くないし……」
「よかった……じゃあ、動くよ……」
エイタはゆっくりと、腰を前後に動かした。
「んっ……んんっ……んうっ……」
その動きに合わせ、ミチルは声をあげた。
「だいじょうぶ?」
エイタが聞くと、ミチルは甘く切ない声で答えた。
「うん……すごく気持ちよくて……声が出ちゃうの……」
「よかった……俺も、すごく気持ちいいよ……」
エイタはそう言って、また動き始めた。
その動きはだんだん強く、激しくなっていく。
「あぁっ、あっ、んんっ……!」
「はぁ……はぁ……ミチルっ……」
「ううっ……エイタくぅん……すごすぎるよぉっ……」
ミチルは感極まって涙を流し、切なげな声をあげた。
「ミチル……かわいいよ……ミチル……」
エイタはさらに強くミチルを突き上げ、揺れる乳房に手を伸ばした。
「あぁっ、だめ……あっ、やっ、そんなにしたら……!」
エイタは腰を動かしながら、両手でミチルの乳房を揉み、乳首をつまんだ。
「そんなっ……あぁっ、んっ、うっ、おかしくなっちゃうぅ……!」
ミチルは背中を反らし、ビクンビクンと体を痙攣させた。
あまりの快感に、理性を失いかけ、目はうつろで、焦点が合っていない。
「ミチル……ミチルっ……俺も……もうイクッ……!」
エイタはそう言うと、ミチルの腰をつかんでペ○スを思い切り深く突き刺し、ビクビクッと体を震わせた。
ミチルは激しい快感に喘ぎながら、自分の中でエイタのペ○スがドクンドクンと動くのを感じていた。
その後、二人はしばらく抱き合っていたが、やがて服を直し、帰る準備をはじめた。
「気持ちよかったね。こんなに出ちゃった」
エイタは白い液の入ったコンドームをミチルに見せた。
「わっ……それ、どうするの」
「そりゃ……まあ、ゴミ箱に」
「あ、そう……でも、見つからないようにしないと……問題になりそう」
「だいじょうぶだよ。ちゃんとするから」
そう言うと、エイタはミチルを抱き寄せた。
「ミチル、大好きだよ」
「……わたしも……好き」
ミチルはそう言って、エイタの背中に腕を回し、ギュッと抱きしめた。
「ところで──」
エイタが言った。
「明日の放課後、また待ち合わせ、できる?」
「えっ……なっ、なんで……」
そう聞きながらも、ミチルの目には期待の色が浮かんでいた。
「ここで、一緒に勉強しない?」
「えっ……勉強? あ、あぁ、うん、そっか……うん……」
ミチルは、想像していたのとは違う答えに、しどろもどろな返事をした。
エイタは、そんなミチルを見てニヤニヤ笑いながら言った。
「この本に書いてあること、全部してみたいって言ったでしょ。まだまだ、いろいろあるからね──」
「えっ……」
「エッチなお勉強ってこと」
ミチルはからかわれたことに気付き、顔を赤くした。
「なっ、なにそれっ……もーっ!」
「へへ……ミチルはエッチだなー」
「ちっ、ちがうもん!」
「明日は、うしろから入れてみようかなー」
「へっ……」
「あ、今、想像した?」
「しっ、してないよっ……」
「気持ちよすぎておかしくなっちゃうくらい、突きまくってあげるからね」
「う……」
「あ、また赤くなった。ミチルは面白いなー」
「もーっ、からかわないでよ!」
窓から差し込む夕暮れの光の中で、二人はいつまでも、じゃれ合っていた 。

おわり