ダンコンカズラ

ナゾの植物は夜になるとその姿を豹変させた。
女を求め、太いツルを伸ばし…
《読了時間の目安:10分》

クミコは、買ってきた植物を自分の部屋に運び入れた。
部屋には他にもたくさんの植物が置いてある。
クミコは植物の研究者なのだ。
しかし、今日買ってきた植物がなんなのか、クミコにはわからなかった。
フリーマーケットでたまたま見つけたのだが、今まで見たことのない、奇妙な植物なのだ。
異常に発達した、うすい緑色の太いツルが何本も伸び、絡み合っている。
そのツルの先端は細くなっておらず、傘の開いていないキノコのような──はっきり言えば、男性のペ○スのような、面白い形をしていた。
(めずらしいものに違いないわ……もしかしたら、新種かも)
クミコは少し考えて、つぶやいた。
「もし新種なら……キミの名前は、ダンコンカズラ、ってとこかしら」
クミコは笑みを浮かべ、本棚から何冊かの専門書を取り出し、机に向かった。

「あ……いけない……」
気が付くと、部屋は真っ暗だった。
机に向かったまま、いつの間にか眠ってしまったらしい。
クミコは手探りで、デスクライトのスイッチを入れようとした。
すると手に、なにか、太い筒状ものが触れた。
(えっ……?)
生暖かい、人の肌のような感触にゾッとしたクミコは、あわてて手を引っ込めた。
得体の知れない恐怖に、心臓の鼓動が早くなる。
「なによ、もう……」
クミコは恐怖心をまぎらわすように声を出し、立ち上がって部屋の明かりをつけようとした。
が、その瞬間、クミコは腕や足を何者かに拘束され、動けなくなってしまった。
「いやっ──むぐっ、んん──っ!」
クミコが思わず大声をあげると、さっき手に触れたものと同じ感触の『なにか』が、クミコのくちをふさいだ。
(まさか、強盗!? どうしよう──!)
クミコは必死にもがいた。
すると、机の上にあったデスクライトが床に落ち、衝撃で明かりがついた。
「──!?」
クミコは浮かび上がった光景を目の当たりにし、息をのんだ。
クミコの体を拘束していたのは人間ではなかった。
クミコは、太い、植物の『ツル』で拘束されていたのだ。
目の前には、今日買ってきたあの植物『らしきもの』があった。
クミコが『ダンコンカズラ』と名付けた、あの植物だ。
しかし、昼間見たのとは全く違い、色は赤黒く、ツルが伸び、何倍もの大きさに変化している。
ダンコンカズラは、何本もの太いツルを四方に伸ばし、生き物のようにうごめいていた。
「んむぅ、んんっ」
クミコは半狂乱になって暴れたが、ダンコンカズラのツルはびくともせず、さらに強い力でクミコの体を締め付けた。
それはまるで筋肉を持っているかのように脈打ち、クミコの体に食い込んでいく。
クミコは涙を浮かべ、恐怖に体を震わせることしかできなかった。
やがてダンコンカズラは、いとも簡単にクミコの体を持ち上げると、そのツルを器用に使い、クミコの服を引き裂きはじめた。
バリッ、ビリッ──
「ん──っ!」
クミコは悲鳴をあげたが、どうにもならない。
しばらくすると、クミコの服はその原形をとどめないほど無惨に引き裂かれ、体のあちこちにその残骸がぶら下がっているだけになってしまった。
暗闇の中、床に落ちたデスクライトの弱い光だけが、その光景を照らしている。
赤黒いダンコンカズラに巻き付かれたクミコの白い裸体は、蜘蛛の巣にかかった蝶のように哀れで、官能的に見えた。

クミコはもがき疲れ、荒い呼吸でその胸を上下させていた。
しかし、そんなクミコの体をもてあそぶように、ダンコンカズラのツルはクミコの体中を這い回り、クミコの体の敏感な部分を執拗になで回した。
「んんっ、ん──っ」
クミコは必死に身をよじったが、拘束された状態では、ほとんど抵抗できない。
拒絶し、嫌悪する気持ちの一方で、クミコは徐々に、性的な快感を意識せずにはいられなくなっていった。
しばらくすると、ダンコンカズラは二本のツルを伸ばし、それをクミコの左右の乳房に巻き付けた。
そして、巻き付けたツルを引き絞り、クミコの乳房を締め付けるように揉みはじめた。
「んっ、んっ、んぅ──!」
クミコはひときわ大きな声を上げた。
すると、クミコのくちをふさいでいたツルが緩んだ。
「はぁっ……」
しかし、息をつく暇はなかった。
ダンコンカズラはそのツルを、今度はクミコのくちの中に差し込んだのだ。
「あがっ……むぐっ……!」
甘い液体がクミコのくちの中に流れ込んできた。
ツルの先端から、なにか、分泌物が出てきたに違いなかった。
もちろん、クミコはあわてて、それを吐き出そうとした。
しかし、口内にとどまっている太いツルが邪魔で、しっかり吐き出すことができない。
(このままじゃ、飲み込んじゃう……気持ち悪いけど、やるしか……)
クミコは思い切って、口内のツルに思いきり噛み付いた。
「ギュルルルルル──!」
クミコがツルに噛み付くと、ダンコンカズラは全てのツルを激しく揺らし、異様な音を発した。
(やった……!?)
しかし、喜んだのも束の間、一本のツルがクミコの首に巻き付いた。
「うぐっ──!」
ダンコンカズラは、クミコの首を絞めにかかったのだ。
クミコが思わず、あごの力をゆるめると、噛み付かれていたツルは素早く、クミコのくちから抜け出した。
そしてすぐに、クミコの首を絞めていたツルもその力をゆるめ、スルスルと離れていった。
「ゲホッ、ゲホッ──」
大変な目にあいながらも、クミコはなんとか、くちの中に溜まっていた甘い液体を吐き出した。
ところが、ダンコンカズラはまたすぐに、何事もなかったかのようにクミコの口内にツルを差し込み、あの甘い液体を流し込んできたのである。
(そんな……)
クミコはしばらく耐えていたが、苦しくなり、結局、それを飲み込むしかなかった。
もう、首を絞められるのは絶対に嫌だったのだ。
ダンコンカズラは満足のいくまでクミコの口内に甘い液体を流し込むと、やっとクミコのくちを解放した。
「はぁ……はぁ……」
クミコは疲れ果て、ぐったりしていた。
しかし、ダンコンカズラは間髪入れず、そんなクミコの方へ新たに二本のツルを伸ばした。
よく見ると、ツルの先端には『くち』のようなものが付いていて、そこから粘度のある分泌物をしたたらせている。
それは、クミコの口内に注ぎ込まれた甘い液体と同じものだった。
二本のツルは、クミコの乳首に向かっていった。
クミコの乳房は、別のツルに巻き付かれ、今も、揉まれ続けている。
そのためか、その頂にある乳首は反応してしまい、固く隆起していた。
新たな二本のツルは、その先端のくちで、敏感になっているクミコの乳首に吸い付いた。
「ひぁあああっ!」
クミコは体をのけぞらせ、あまりの快感に声をあげた。
クミコはもともと乳首が弱く、とても感じてしまう方だった。
それにしても、今まで感じたことのない、異常なほどの快感である。
体はもちろん、頭の中まで快感でしびれ、おかしくなってしまいそうだ。
クミコは朦朧とする意識の中で、先ほどの甘い液体は一種の媚薬だったのではないかと、研究者らしいことを考えた。
しかし、そんなことを冷静に考えられたのは、それが最後だった。
全身に媚薬が回り、クミコは快感の虜になってしまったのだ。
二つのくちは、グチュッ、ジュポッと音を立てながら、クミコの乳首を激しく責めている。
「んあっ……ひゃあん……はうぅ……触手いっぱい……気持ちいいよぉ……」
クミコは快感に喘ぎ、その表情をだらしなく崩し、腰をいやらしくくねらせた。
やがてダンコンカズラは、一本だけ他のツルとは違う、ひときわ太く、イボ状の突起のあるツルを、クミコの秘部に伸ばした。
そこは、したたるほどに溢れ出した愛液で、ぐっしょりと濡れていた。
ダンコンカズラがツルの先端で秘部をなでると、クミコは喜びに満ちた声をあげた。
「あはぁんっ、すごい……そこぉ、もっと触ってぇ、もっとぉ……めちゃくちゃにしてぇ……」
ダンコンカズラはクミコの期待に応えるように、ツルの先端のくちで、クミコの秘部に激しく吸い付いた。
ずぢゅっ、ずぢゅるるる──!
「はぁああああん!」
クミコは涙を流し、全身に響きわたる快感に、体を震わせた。
「もう……入れてぇ……お願い……はやく入れてぇえ……じゅぼじゅぼしてぇ……突きまくってぇ……めちゃくちゃにかきまわしてほしいよぉ……」
クミコが懇願すると、ダンコンカズラはその言葉を理解したかのように、ツルの先端をクミコの秘部に押し当てた。
そして、強い力で、一気に奥深くまで貫いた。
「んぁああああああっ!」
クミコは目を大きく見開き、のけぞった。
今まで感じたことのない、体がバラバラになってしまいそうな、壮絶な快感が全身を貫いた。
「あっ、がぁっ……あ……」
なんと、そのひと突きでクミコはイッてしまった。
だらしなく口を開き、喜びの表情を浮かべ、ビクンビクンと体を痙攣させている。
しかし、快感はまだまだ終わらない。
ダンコンカズラは挿入したツルを激しく動かし始めたのだ。
「ああんっ、はぁあああんっ、うぐっ、んぐうぅ、やああぁっ」
ダンコンカズラは、クミコの奥深くを突きまくった。
クミコは快感のあまり、このまま死んでもいいとさえ思った。
ツルの動きに合わせ、グチョッ、グチョッ、ビチュッという卑猥な音が部屋に響きわたる。
「あはぁん、あぁっ、すごいっ……あっ、あっ、だめっ、もっ、だめぇ……!」
クミコは二度目の絶頂を迎え、激しく体を痙攣させた。
ダンコンカズラの方も、同時に最終段階を迎えていた。
クミコの中、奥深くにツルを突き刺すと、ドクンドクンと脈打ち、クミコの中に精を放出したのだ。

翌日、クミコは再びフリーマーケットに足を運んだ。
あの、ダンコンカズラを売ってくれた人物にもう一度会って、話を聞いてみたかったのだ。
(いた……!)
クミコは目的の老人を見つけ、駆け寄った。
「あの、すいません……昨日、鉢植えを買ったものなんですけど……」
すると、老人はあわてた様子で言った。
「あ、昨日の。よかった、あんたには話さなきゃいけないことがあったんだよ」
「え……?」
「昨日売った鉢植えだけどね、アレは『オス』なんだと。ほら、この──」
そう言うと老人は、細いツルと、真ん中に大きなツボミのようなものがある鉢植えをクミコに差し出した。
「この、『メス』と一緒にしておかないといけないらしいんだよ」
「そ、そうなんですか……」
「あぁ。なんでかは知らないが……そうしないと、よくないらしいんだよ。昨日はそのことをすっかり忘れてしまってね。お嬢さん、なにか困ったことにならなかっただろうね」
クミコは、昨晩のことを思い出し、ほおを染めた。
「べっ、べつに……なにもありませんでした」
「ふむ……それなら、よかった。まぁ、昔の人の迷信だろうがね……」
「そ、そうですね……」
「で……そういうわけなんだが、この『メス』も買っていかないかね?」
「あ、はい。ぜひ……」
クミコは老人から、『メス』の鉢植えも購入し、家に持ち帰った。
そして、ダンコンカズラのとなりに、その鉢植えを置いた。
(これで、わたしの体は安全ね。でも……)
「たまにはわたしの相手もしてほしいな」
クミコはほおを染め、ダンコンカズラのツルを愛おしげになでながら、つぶやいたのだった。

おわり