エッチな幽霊

交通事故にあい、幽体離脱してしまった俺。
童貞のまま終わりたくない俺は、ずっと好きだった幼なじみを…
《読了時間の目安:17分》

気が付くと、俺は上の方から、道に倒れている自分を見ていた。
たしか、俺は車とぶつかって……そうか、それでか。
幽体離脱ってホントにあるんだなぁ──
って、ちょっと待てよ!?
俺は、死んだのか!?
しばらくすると救急車がやってきて、俺の体は、病院に運ばれた。
後を追うと、病院の待合室には両親がいて、とてつもない顔をしていた。
どうやら、まだ死んだわけではないらしい。
ということは、俺の体は手術中なのだろう。
手術室なんかに入る勇気はない。
だけど……そうだ、生き返るには、この俺が、俺の体に戻らなきゃいけないんじゃ……?
そうだ、きっとそうだ。
怖いけど、仕方ない。
俺は意を決して、手術室に入った。
もちろん、幽霊だから、俺の姿はだれにも見えていないし、壁も通り抜けられるのだ。
俺は……あそこか。
寝ている自分の姿は見えないが、数人の医師や看護士が慌ただしく動き、囲んでいる場所があった。
と、そこに、場違いな雰囲気の人間がいた。
真っ黒な服に身を包んだ人間。
ご丁寧に鎌まで持って──って、ウソ!
ま、まさか!?
その人物は俺に気が付くと、俺に向かって言った。
「あれ、ちょっとキミ、困るなぁ……フラフラされちゃあ……」
鎌がキラリと光った。
やっぱり!
あいつは──死神だ!
「すんませんしたっ!勘弁してくださいっ」
俺は一目散に、その場から逃げ出した。
逃げ出した俺は、結局、自分の部屋にいた。
他に行くあてもない。
それにしても、あいつ──死神は、俺を連れて行こうとしていたのだろうか。
やっぱり、俺はもう──。
なんて悲しい結末だろう。
まだ、やりたいことがいっぱいあった。
やりたいこと、それは……えーと、そう、将来とか、夢とか、そういう──
……いや、この期に及んで見栄を張るのはよそう。
今やりたいことはひとつしかない。
それは──
……
……
セックスだ。
俺はまだ、セックスというモノを経験したことがない。
童貞のまま死ぬなんて、あんまりじゃないか。
ふと、窓の外を見ると、隣の家の明かりが見えた。
幼なじみの、香子の部屋だ。
俺は、香子のことが好きだった。
こんなことになるなら、生きているうちに、そう言えばよかった。
そして香子とセックスを……
なんてな。
断られるのがオチだよな。
そんなことを考え、ため息をついた瞬間、俺はひらめいた。
そうだ、今なら──!?

俺は自分の部屋の窓から飛び出し、香子の部屋の窓に飛び移った。
幽霊というのは、いろいろと便利である。
窓をのぞくと、部屋には香子がいた。
学校から帰ったばかりなのか、制服を着ている。
そして、なんと、それを脱ぎ始めたのだ!
こっ、こんなことが許されるのかっ!?
そう思いながらも、俺は窓に貼り付き、その光景を凝視した。
すると、不意に、香子がこっちの方を見た。
まずいっ、気付かれた……!
俺は慌てて身を隠した。
しかし、俺は幽霊なのだ。
香子に俺の姿は見えないはず。
恐る恐る、もう一度窓をのぞくと、香子は何事もなかったかのように服を脱いでいる。
やっぱり、そうだよな。
確信を持った俺の気持ちは大きくなった。
そうだ、中に入って、もっと近くで見たっていいんだ。
ぐっ、ぐふふふ……うひひ……ふはははははは!
今きっと、俺はすごくいやらしい顔をしているに違いない。
俺は窓をすり抜け、いとも簡単に、香子の部屋に入ってしまった。
俺が目の前にいても、香子は気付かない。
ちょうどそのとき、香子の着替えはクライマックスだった。
背中に手を回し、ブラジャーを……取ったぁーーーっ!!
ブラジャーの中に押し込められていた大きな胸が、プルンと揺れながら俺の目の前にあらわれた。
すっ、すげーーーっ!
初めてっ、初めてナマのおっぱい見たったーーーっ!
香子ってけっこうスゴかったんだなぁ……
俺は思わず、その胸に手を伸ばした。
しかし──
あれっ?あっ、あぁっ、そんな……
何度試しても、無駄だった。
俺の手は、香子の体をすり抜けてしまい、香子の体にふれることができなかったのだ。
そんなっ……そんなバカな……!
最後なのに……
どうせ最後だから、やりたい放題してやろうと思ってたのに……!
俺が絶望しているうちに、香子は部屋着に着替えてしまった。
ベッドに寝転がって、マンガを読んでいる。
あぁ……あの胸のふくらみ!
あの服の下には……
さっき見た、おっぱいを思い出す。
両手で揉みまくって、あの胸の谷間に顔をうずめたかった。
それから、舐めまくって、吸いまくって……
くうぅ……っ!
なんとかさわれないのか!?
俺は集中した。
それは、すさまじい集中力だった。
スプーンだって曲げられたかもしれない。
全神経を研ぎすまし、香子の胸に手を伸ばす──
「きゃっ……」
香子が声をあげた。
できた……本当に!?
手にはしっかりと、やわらかな胸の感触も残っている。
俺はもう一度、香子の胸に手を伸ばし、今度はその胸をつかんでみた。
「ひゃあっ!えっ、ええっ!?」
やっぱり!
香子は青ざめ、服をめくって自分の胸を確認したりしている。
そりゃあ、怖いよな……でも……
香子には悪いが、俺はもうすぐ消えてしまうかもしれないのだ。
ごめんな、香子っ!
俺は香子を押し倒し、服をめくり上げ、両手で彼女のおっぱいをつかみ、揉んだ。
あぁ、やわらかい……
「きゃああぁんむっ……んんっ!」
香子が悲鳴を上げそうになったので、俺は片手を伸ばし、なるべく驚かせないように、そっと、香子の口を塞いだ。
(香子、頼む……)
聞こえないのは分かっていたが、思わず、俺がそう言うと、香子の体から少し、力が抜けた。
「……俊也くん?」
(まさか……聞こえるのか?)
「俊也くん……どうして!?」
(あ……俺は、その……これには理由があって……と、とにかく時間がないんだ。だから、頼むっ)
俺は再び、両手で香子の胸を激しく揉んだ。
「あっ、やっ……ちょっと、やめてよ……」
(やめない。)
俺は香子の胸に顔をうずめ、キスをした。
そして舌を出し、舐めはじめた。
「あぁっ、あんっ……だめっ……やだっ……」
香子の頬が赤く染まっている。
俺は欲望の赴くまま、乳首に吸い付いた。
「ああっ──!」
香子が声を上げ、体をのけぞらせた。
(今のが、気持ちいいの?)
「ちっ、違うわよ……もう、やめてよ……」
(ホントにやめてほしい?)
俺はもう一度、乳首を強く吸い、そして、舌でもてあそんだ。
「あんっ、ああんっ……やだぁ……んっ」
(好きだよ、香子……ずっと好きだったんだ……)
俺は乳首から唇を離し、香子の体に手を這わせていった。
頭から足の先まで、ゆっくりと、時間をかけ、愛おしむように……
「俊也くん……」
香子の目や表情が、うっとりとしたものに変わっていく。
俺は香子の服を、全て脱がせた。
香子は恥ずかしそうにしたものの、抵抗しなかった。
「ねぇ……どうして姿が見えないの?時間がないって……まさか……」
香子の顔が青ざめる。
(いいから……)
俺は香子のおでこにキスをした。
そして、香子を抱きしめ、彼女の陰部に手を伸ばした。
「あっ……やだ、そんなとこっ……」
(お願い。さわらせて……)
「……」
俺は陰部の上にゆっくりと手を這わせ、そして、深い所に指をうずめた。
「あぁっ……」
(なんか、濡れてるみたい。ぬるぬるしてるよ……)
「そんなこと、解説しないで……恥ずかしいよ……」
(だって、すごいんだもん……どうしてこんなになってるの?)
「もう……いじわるなんだから……」
香子の顔が真っ赤になる。
(香子、かわいい)
俺は指を動かし、陰部を刺激してみた。
「あんっ、あっ、あぁっ、だめっ……あぁっ!」
(ここが気持ちいいの?)
「んっ……うん……」
(へぇ……)
俺は香子の感じる部分を、責めるように刺激した。
「あぁっ、んっ、あっ、だめっ、あんまりすると……」
(あんまりすると?)
「その……あの……おかしくなっちゃうの」
(イッちゃうってこと?)
「……そうだと思う」
(イクとこみせてよ……)
俺はさらに激しく、指を動かした。
「あっ、あっ、やぁっ、だめっ、ああんっ、あぁ──っ!」
香子は体を弓なりにして、ビクン、ビクンと震えた。
(すごい……気持ちよかった?)
香子は涙目になりながら、うなずいた。
息が荒く、胸を上下させている。
もう我慢できない。
俺はズボンを脱いだ。
もちろん、俺のモノは元気いっぱいだ。
俺の姿が見えない香子は、不安げに目を泳がせている。
(香子……俺も気持ちよくなりたい)
「え……?」
俺は固くなった自分のペ○スを、香子の陰部にあてがった。
「あ……えっ、ウソっ、それって……」
(ダメ?)
「…………わかった、いいよ。でも……ゆっくりしてね。初めてだから……」
(うん!)
俺は目を輝かせ、腰に力を込めた。
「うっ……」
(痛い?)
「うん、少し……でも、だいじょうぶだよ……」
(うん……)
ゆっくり、ゆっくり、ペ○スをうずめていく。
「んうぅ……」
(あぁ……全部……奥まで入ったよ……)
「うん……なんか……すごいよ、気もちいい……」
(うん……俺も……)
俺は少しずつ、腰を動かしてみた。
「あぁっ、すごい……」
(うん、やばいね、これ……気持ちよすぎるよ……)
香子の様子を見つつ、腰を動かす。
「あぁっ、あぁ……もっと……もっとぉ……」
(うん……!)
俺は腰の動きをどんどん激しくしていった。
「あぁっ、んっ、あんっ、俊也くぅん!」
(香子っ……俺……もう……)
「わたしも……あっ、あぁあっ!」
一瞬どうしようかと考えだが、結局、そのままイッた。
さすがに、幽霊に生殖能力はないだろう。
「はぁ……はぁ……」
(はぁ……はぁ……)
俺も香子も、しばらくベッドの上で放心状態だった。
(ありがとな……てゆうか、ごめん!急にこんなこと……)
「ううん……いいの。わたし、うれしかったよ……って、あれ、俊也くん!」
香子が驚いたような顔で、こっちを見ている。
その視線は、俺の姿をしっかりととらえているようで……
「え、まさか、俺のこと、見えてる?」
「うん、でも……なんか透けてるし、光ってて……」
「あ、えっ、ええっ、まさか……成仏!?」
「はぁっ!?」
「そっか、心残りがなくなったから……」
「ちょっ、なに言ってるの?やだよ、行っちゃダメっ」
香子は俺をつかもうと手を伸ばしたが、その手は俺の体をすり抜けてしまった。
「あ……やだっ、そんな……」
ついさっきまで、お互いに触れ合うことができていたのに……
自分でも、体が消えていくのが分かる。
だが、俺があまり怖がると、香子がかわいそうだ。
俺は気持ちを落ち着かせ、言った。
「ま、しかたないよ。……最後に香子と会えて、俺、しあわせだった」
「そんなの、やだよぉ!」
香子の目から、涙があふれ出した。

「泣かないでくれよ……でも、まぁ、ちょっとうれしいけど。あ、そうだ、処女を奪っといて言うのもなんだけど……いい男みつけて、幸せになれよ」
「うわぁーん」
香子の顔は、涙でぐしゃぐしゃだ。
「そうだ、最後に……もうひとつだけ、いいかな」
そう言うと、俺は体がすり抜けないように願いつつ、思いっきり集中して、泣きじゃくる香子の唇にキスをした。
体はすり抜けず、ちゃんと感触があった。
よかった──
でも、もっと、もっともっともっと、香子といろんなこと、したかったなぁ……
だんだんキスの感触が消え、意識も薄れていく。
さよなら、香子……
そして、俺は完全に消滅した。
「……ん……んっ?」
俺は消滅したはず……なのに、まだ意識がある。
でも、ここは香子の部屋ではないようだ。
白い部屋……もしや、ここが天国なのか?
「あ、目を覚ましたね!もう、心配したよぉ」
「あれっ、かーちゃん?……なんで!?」
「覚えてないの?あんた、交通事故にあって気を失ってたんだよ」
「そ、そうなの……あっ、俺、手術は成功したの?」
「は?手術なんかしてないよ、足を骨折しただけなんだから」
「手術してない……?」
じゃあ、あのとき見た死神は……俺には関係なかった?
「ホントに、たいしたことなくてよかったよ……ちょっと、先生を呼んでくるからね!」
そう言うと、母親は部屋を出て行った。
俺が混乱していると、病室のドアが開いた。
「あ……」
ドアを開けたのは、香子だった。
泣きじゃくったせいで、目がはれている──というか、目がすわっている。
ということは、アレは現実だったのか。
気まずい。
気まずすぎる。
「……よ、よお」
「……」
「あれ、なんか……怒ってる?」
香子は黙ったまま、ツカツカと俺のそばまでやってきた。
そして──
「あっ、おい……」
「よかった……俊也くん、死んじゃったのかと思ったんだからっ」
俺は香子に抱きしめられていた。
事故のせいか、ちょっと体が痛い。
だけど、幽霊だったときよりもはっきりとしたその感触に、俺は震えた。
これは本当に、現実なのだ。
「香子っ」
香子の体に腕をまわし、ぎゅっと抱きしめる。
感動的な場面……なのだが、香子の胸の感触に、思わず体が反応してしまった。
香子はそれをチラッと見て言った。
「また、あんなことしたいと思ってる?」
「えっ、そ、それは、まぁ……」
「ちゃんと言って。あのとき言ってくれたのは、全部本当だったの?それとも……」
「本当だよ。俺……香子のこと、好きだ」
そう言うと、香子は一瞬、とてもうれしそうな顔をしたが、すぐに、意地悪そうな表情を浮かべて言った。
「ふぅん、そうなの……でも、どうしよっかなー」
「え……?」
香子は俺の耳元で言った。
「処女は特別な人にあげたいの」
「えっ?でもさっき……」
「幽霊に、処女は奪えないみたいよ」
「へ……」
そのとき、病室の扉が開き、母親と医者が入って来た。
俺はさり気なく、反応してしまったモノを隠す。
「あ、香子ちゃん。わざわざ来てくれたんだぁ」
「はい。あの、連絡いただいて、ありがとうございました。俊也くん、元気そうで、安心しました」
「ありがとねぇ。ほら、俊也もお礼言いな」
「あ……あぁ、うん……」
「じゃあ、わたし、今日はこれで失礼します」
「あら、そう?もうちょっと待っててくれれば、車で送ってくよ。わたしも帰るから」
「えっ、いいんですか~」

俺は、命に別状はなかったが、骨折していたりもしたので、少しだけ、入院することになった。
香子はあのまま、俺の母親と帰ってしまって、あれ以上、話はできなかった。
結局、香子は俺のことを……?
わからない。
でも……なんか俺、しあわせかもしれない。
また香子と話しをするのが楽しみだ。
今日あったことを思い出し、ニヤニヤと笑いながら、俺は目を閉じた。
香子の夢を、もちろん、エッチな夢を見たいと願いながら……

おわり