アブナイお仕事

大人のオモチャの制作会社で働く女子社員が、ローターのテストを手伝う事に。
仕事なのに感じてしまい…
《読了時間の目安:17分》

柏木奈々子は、社員十五名の小さな制作会社でたった一人の女子社員である。
デザイナーとして入社し、一年。
仕事にも慣れ、充実感や楽しさも感じていた。
ただ、この仕事の細かい内容については、親にも、友達にも話さないでいる。
なぜなら、この会社で作っているのは……
「柏木さん、このデザインでOK出たから、進めちゃって」
上司の神崎浩一が奈々子のデスクまで書類を持ってきた。
「はい、了解です」
奈々子は書類を受け取り、笑顔で返事をした。
「じゃ、お願いします」
神崎も笑顔でうなずき、自分のデスクへと戻っていく。
奈々子は改めて書類を確認した。
自分が作ったものだ。
この会社で作っている商品のパッケージデザイン。
それが、奈々子の仕事だった
ただ、その商品というのがちょっと……アレなのだ。
なにを隠そう、『大人のオモチャ』なのである。
つまり、性的快感を得るための道具、だ。
こんなこと、親にも、友達にも、言えるわけがない。
でも、奈々子はこの仕事、というか、この会社が好きだった。
社長を含め、社員はみんな仲が良く、笑いが絶えない。
といっても、遊んでばかりいるわけではない。
各々、仕事にはこだわりを持っているのだ。
そんな風にして作られた商品の評判は上々で、社内の雰囲気もとても良かった。
「さてと……」
奈々子はパソコンに向かい、気合いを入れて仕事に取りかかった。

「お先に失礼しまーす」
奈々子がパソコンのモニタから顔を上げると、営業部の社員が帰るところだった。
「おつかれさまでーす」と、声をかける。
周りを見ると、奈々子の他には神崎が残っているだけだった。
神崎は制作部のまとめ役だ。
頼りがいがあって、ユーモアもあり、みんなに慕われている。
奈々子も、そんな神崎の事が好きだった。
ただ、それが恋なのかどうか、まだ奈々子は見極められずにいた。
もう切り上げようっと……
奈々子は自分のパソコンの電源を落とし、帰る支度をした。
「すいません、お先に失礼します」
声をかけ、帰ろうとすると、神崎が呼び止めた。
「柏木さん、今……急いでる?」
「え?」
「いや、今、時間あるかなぁと思って」
「あ、全然大丈夫です」
奈々子は荷物をおろした。
「ちょっと、相談があるんだけど……」
そう言いながら、神崎は奈々子に椅子をすすめた。
奈々子が座ると、神崎は箱に入った物を見せてきた。
箱には、女性向けの『ローター』と呼ばれるものが、どっさり入っていた。
「今度この、女性向けのローターを制作する事になっててね」
「そうなんですか」
「……ちょっと行き詰まってるんだよね」
「はぁ……」
「なんていうか、ローターってみんな、だいたい同じじゃない。スイッチ入れると振動するっていう」
「まぁ……そうですね……」
「うん。だから、他のローターとは一線を画すような、工夫を凝らした良い物を作りたいと思ってるんだけど……」
奈々子はうんうんとうなずきながら、真剣に神崎の話を聞いた。
普通なら恥ずかしくなるような会話だが、この会社では、こんな話は日常茶飯事なのだ。
「どうしたらいいのか、全く、お手上げなんだよ。僕は男だから、自分で実験する事もできないし……そこでだ。柏木さんに、協力してもらえないかと思って」
神崎が奈々子の顔を見た。
「えっと……それは、女性の意見が欲しいって事ですかね」
奈々子が言うと、神崎はうなずいた。
「まぁ、そういう事になるかな……柏木さんの意見も欲しいし、僕も研究したいし。とにかく、手伝ってくれたら、本当にすごく助かるんだ」
すがるような表情の神崎を見ながら、奈々子は考えた。
これは、思ったほど簡単に手伝える事ではなさそうだ。
この会社に一年勤めているが、ずっとパッケージのデザイン一筋で、こういう話になったのは初めてだった。
ローターに対する意見を出すとなると……見た目や操作性の話だけでは済まないだろう。
きっと、快感についての話もしなければならない。
むしろ神崎は、男性には分からない、そういう部分について一番聞きたいのかもしれない。
そんなの、恥ずかしすぎる。
でも……
奈々子は神崎の顔を見た。
その顔は真剣そのものだ。
この会社の社員はみんな、毎日そうやって意見を出し合って製品を作っているのだ。
そこに変な気持ちなど一切ない。
これは、仕事なのだ。
「……わかりました。」
奈々子は返事をした。
返事をすると、なんだか腹が決まって、役に立ってみせるという闘志も湧いてきた。
「よかった。ありがとう、助かるよ!」
神崎は心底うれしそうな顔で言った。
「じゃあ、時間がもったいないから早速……」
神崎は自分のデスクの引き出しから、小さめの毛布を取り出し、それを床に敷いた。
「これ、自分の仮眠用のなんだけど……まだ使ってなくて、新品だから。安心して。きれいなのがあってちょうど良かったよ……」
なにがなんだか分からず、奈々子が固まっていると、神崎が奈々子の肩に手を添え、椅子から立たせた。
「ほら、靴を脱いで。あと、パンツも脱いじゃってね」
「え、え……?」
奈々子は展開についていけず、激しく頭が混乱した。
「あ、あの、これから何が始まるんでしょう?」
混乱しながら奈々子が聞くと、神崎はきょとんとした顔で答えた。
「何って……まぁ、ローターの実験と女性の研究……かな」
「じ、実験って……そ、それを使うんですか……」
奈々子は震える手で、ローターの山を指差して言った。
「うん。いろいろ調べるよ」
「こ、こ、ここで……?」
「もちろん」
「わ、わたしが……?」
「うん」
神崎はあれこれ準備しながら、毛布を示した。
「さあ、靴とパンツを脱いで、ここに横になって」
奈々子は愕然とした。
お、思ってたのと違う……
だが、平気な顔で着々と準備を進める神崎を見ると、「やっぱりできません」と言う事ができなかった。
一度やると言ったんだから、やらなきゃ。
そう、これは、ただの仕事なんだ……!
奈々子は靴を脱いだ。
そして、スカートの中に手を入れ、パンツも脱ぐ。
パンツを小さくたたんで机の隅に置くと、毛布の上に乗り、仰向けになった。
ええい、ままよ……
「よし、じゃあ始めようか」
神崎はそう言うと、奈々子の足下に回った。
「えーと……ちょっと失礼」
神崎は奈々子の両足をつかみ、膝を立て、ぐいっと広げた。
「──!」
奈々子は驚いて声をあげそうになったが、必死で我慢した。
声なんかあげたら、まるで変な事を考えているみたいだ。
神崎さんは仕事でやっているのに、そんな風に思われたら……やだやだ、恥ずかしすぎる!
しっかりしないと!
それにしても、すごい格好だ。
もう完全に、神崎には奈々子の陰部が丸見えだろう。
うぅ、恥ずかしい……
そうだ、病院だと思えばいいんだ……そうだ……
必死に冷静になろうとする奈々子だったが、顔は恥ずかしさで真っ赤に染まっていた。
「うん、これでよく見える」
神崎は満足そうにうなずくと、ローターの一つを手に取った。
「じゃあ、とりあえず、これを使うね。これは、振動の強さをコントロールできる」
そう言って、ローターのスイッチを入れた。
静かな社内に、モーター音が響き渡る。
「いくよ……」
奈々子の陰部に、振動するものがあたった。
「ん……」
思わず小さな声が出てしまい、奈々子はあわてた。
「どうかな?」
神崎に聞かれ、奈々子は精一杯説明をした。
「えーと、その……ちょっと場所が違うというか……」
「場所?」
「はい……えっと……もうちょっと上の方かな……って……」
「なるほど!」
神崎は片手でメモを取りながら、ローターを動かした。
「この辺は?」
「あ、はい。そうです……でも、まだちょっと……」
「弱い?」
「あ、多分そうです……はい」
「うんうん、いいデータが取れそうだよ」
神崎は興奮したようにメモを取った。
「じゃあ、今から少しずつ振動を強くするから、気持ちいいところで教えてくれる?」
「わかりました」
奈々子はうなずいた。
神崎の仕事熱心な様子を見ているうちに、奈々子はだいぶ落ち着いてきた。
ものすごく恥ずかしくて、最初はどうなる事かと思ったが、ちゃんと仕事らしくなってきた。
このまま上手くやれそう……
そう思った奈々子だったが、このあと体験する狂おしいほどの快感の事など、まだ知る由もなかったのである。
ローターの振動は少しずつ強くなってきていた。
「あ、少し……気持ちよくなってきました」
「なるほど……でも、まだ上げていい感じ?」
「……はい」
奈々子は感覚を研ぎすまし、一生懸命に感じ、それを報告した。
「あっ……あ、このくらいだと……すごく気持ちいいです……このままだと……あの……イ、イクと思います」
「うんうん、なるほどね、了解!」
神崎はメモを取ると、奈々子の一番感じる部分を撫でるように、ローターをゆっくりと動かし始めた。
「こうすると……どう?」
「あ、はい……すごく……もっと……気持ちいい感じです……」
奈々子は快感のために甘い息が漏れるのを我慢できず、途切れる声で答えた。
「うんうん、いいね。もうしっかり濡れているよ」
神崎はローターで奈々子の陰部をすくい上げるように大きく撫でた。
びっしょりに濡れた陰部の上を、にゅるん、とローターが滑る。
「ひあぁっ──」
不意の刺激に、思わず声を出してしまい、奈々子はあわてて言った。
「す、すいません……!」
「いや、我慢しないでいいんだよ。ていうか、今まで我慢してたの?」
「えっと……まぁ……」
「だめだめ、声を出してくれた方が、いいデータが取れるからさ。我慢しないで……ね?」
「……はい、わかりました」
奈々子がうなずくと、神崎は再び、ローターを奈々子の陰部にあてた。
奈々子を快感の波が襲う。
「はぁっ……ああっ……すいません……もう、ダメです……」
奈々子は身をよじって訴えた。
「ダメって?」
「あ、あの……んっ……つまり……もう、イッちゃいそうで……」
「そっか……じゃあ、とりあえず一回イッちゃおう」
そう言うと、神崎はさっきと同じように、ローターをゆっくり動かした。
奈々子から溢れ出した液体がまとわりついて、ローターは振動しながら、滑らかに奈々子の一番敏感な部分を撫でる。
「ああっ……あん、あっ、ああっ──!」
奈々子は激しく喘ぐと、体を仰け反らせ、ビクン、ビクンと痙攣した。
絶頂に達したのだ。
「も、もう……」
奈々子は、ローターを持つ神崎の手を押し、ローターの刺激から逃れた。
奈々子の反応に夢中になっていた神崎は、思い出したようにローターのスイッチを切った。
「はぁっ……はぁっ……」
奈々子は息を整えながら、ゆっくりと体の力を抜いた。
「ありがとう……その……おつかれさま」
神崎が言った。
奈々子は苦笑を浮かべながら、うなずいてみせた。
「ちなみに、今こうするとどうなのかな」
神崎は再びローターのスイッチを入れると、突然、奈々子の陰部に押しあてた。
「やあっ、ああっ、ダメです、ダメです、あああっ!」
奈々子は強すぎる刺激から逃れようと、激しく抵抗した。
「ごめんごめん、そんなに強くはしてないんだけど……イッた直後はダメなの?」
ローターのスイッチを切り、神崎が言った。
「はい、なんというか、その……」
卑猥な単語を口にするのは恥ずかしかったが、伝えるためには仕方がない。
奈々子は思い切って説明をした。
「ク、クリトリスでイッた場合はそうなんです。敏感になってて……」
「へぇ……そうなんだ。いやぁ、勉強になるなぁ……あ、でも、クリトリスの場合ってことは……その他は?」
「えっと、その……つまり、おち○ちんを入れた場合は……ちょっと違うんです……」
「何回でもイケる?」
「そんな感じです……ずっと気持ちいいというか……そりゃ、あんまり長いと疲れちゃいますけど……」
「なるほどねぇ……」
神崎はまた、メモを取った。
「じゃあ、少し休憩したら、また始めたいんだけど……体、大丈夫?あと、時間も」
「はい、大丈夫です」
それを聞くと神崎は笑顔でうなずき、メモの整理を始めた。
奈々子はずっと横になったままでいた。
快感はしばらく居座っていたが、それもだんだんと消えていった。
「……そろそろ、いいかな」
「あ、はい」
神崎に言われ、奈々子は閉じていた足を自分から開いた。
仕事でやっているのに、もじもじしていたらいけないと思ったのだ。
「……ありがとう。じゃあ、始めます」
ローターのスイッチが入り、モーター音が鳴りだす。
その音を聞くと、奈々子の体がかすかにピクンと反応した。
あれ……まだ何もしてないのに……
気持ちが緩んで、変な気分になりかけているのかもしれない。
そう思った奈々子は、心の中で気合いを入れ直した。
しかし、神崎は、そんな奈々子の様子もしっかり見ていた。
そして、何か思うところがあったのか、
「これが欲しいのかな……?」
そう言って、ローターで奈々子の太ももを撫でる。
「か、神崎さん……?」
困る奈々子にかまわず、神崎は太ももや、陰部の周りなど、奈々子が一番感じる部分をわざと避けるようにローターを這わせた。
「神崎さん……」
奈々子の腰は自然と、ローターを求めるように動き出していた。
陰部は溢れ出した液でびっしょりに濡れている。
「これが欲しくて、欲しくてしょうがないのかな?言ってごらん」
神崎がささやいた。
快感が目前にあるのに焦らされ、耐えきれなくなった奈々子は言った。
「欲しいです……神崎さん、もう、焦らさないでください……」
「わかったよ……」
そう言うと神崎はやっと、ローターを奈々子の一番敏感な部分にあてた。
「ああっ……ああん……気持ちいい……んっ……」
奈々子は焦らされた後の強い快感に喜び、我を忘れ、身をくねらせた。
神崎は、ローターの振動をさらに強くした。
「やあっ……ん……あんっ、ああん、神崎さ……ん、ダメっ……ああっ」
奈々子は毛布をぎゅっと握りしめ、苦しげに喘いだ。
「あんっ……ああん……ダメ……お、おかしくなっちゃ……うっ……」
快感のせいで、奈々子は本当に変になりそうだった。
快感に溺れた奈々子の体は、激しく神崎を求めていた。
キスしたい。
抱きしめてほしい。
胸だって触ってほしい。
神崎さんが欲しい……
奈々子は懸命にその思いを抑えていたが、あまりの快感に、我慢は限界を超えてしまった。
「か、神崎さん……」
奈々子は体を起こすと、足下にいる神崎の腕に手を伸ばし、服の袖をつかんだ。
息を荒くし、切ない目をした奈々子と、驚いたような顔をした神崎の視線がぶつかる。
「柏木さん……」
神崎は身を乗り出し、奈々子の方へ寄ってきた。
このまま二人は抱き合うかに思えた。
ところが、神崎は突然、ローターのスイッチを切り、身を引いた。
「う、うん、ここまでにしよう」
そう言うと、奈々子にくるりと背を向け、メモをまとめ始めた。
奈々子は、神崎の袖から外れ、宙に浮いた腕をゆっくりと下ろした。
息を整えながら、徐々に冷静さを取り戻す。
どうしよう……
あんなに激しく感じて、しかも、神崎さんを求める素振りまで見せてしまった……
仕事だったのに……!
背を向けたまま何も言わない神崎を見て、奈々子はショックだった。
きっと、呆れてるんだ……
奈々子は恥ずかしくて、悲しくて、たまらなくなった。
「神崎さん、あの……すいませんでした、あんな風になってしまって……」
奈々子が言うと、神崎は背を向けたまま言った。
「そんな、君が謝る事なんかないんだ、違うんだ……」
神崎は落ち着きのない様子でしばらく考えていたが、奈々子の方に向き直って言った。
「僕がいけないんだ、途中で変な気持ちになって……それでやっと気付いたんだ」
「変な気持ち……?」
「ああ……そうさ。僕は……事もあろうに、君が欲しくてたまらなくなってしまったんだ……くそっ」
「神崎さん……」
「そもそも、こんな事間違ってた。僕は仕事に夢中になりすぎて、常識を失ってたよ。本当にバカだった。君の気持ちも考えずに……本当にごめん。君にひどい事をさせてしまった……」
神崎は頭を抱え、心底落ち込んだ様子で謝っていたが、奈々子はうれしくて飛び上がりそうだった。
わたしが欲しくなったと……彼はそう言ったのだ!
「結局……わたしは全然役に立てなかったんでしょうか」
奈々子が聞くと、神崎は首を振った。
「いや、そんなことはないよ。ひどい目にあわせちゃったけど、すごく、いいデータがとれたと思う。すごく役に立つ……」
「それなら、よかったです」
奈々子は笑顔で言ったが、神崎の顔は青ざめていた。
「でも、こんな事させて、本当に……僕は、許されない事をしてしまった……」
「……そうかもしれません。普通なら。でも、わたしは怒ってないし、全然大丈夫ですよ。だから、もう気にしないでください」
奈々子は落ち込む神崎を必死に励ました。
しかし、神崎の顔色は一向に良くならない。
奈々子はしばらく考えていたが、やがて、勇気を出して口を開いた。
「神崎さん」
神崎は顔を上げた。
「そんなに落ち込むなら、わたしに今日の償いをしてください」
「償い……?」
奈々子はうなずいて、続けた。
「はい。償ってくれたら、わたしは神崎さんを許します。って、すでに怒ってないんですけど。まぁ……そうすれば気が晴れるんじゃありませんか?」
「うん、そうかもしれない。はぁ……君にそこまで気をつかわせてしまう自分が情けない……」
「ちょっと……しっかりしてください。じゃあ、償い、してくれるんですね?」
「ああ、できる事ならなんでもするよ」
神崎が答えると、奈々子はいたずらっぽく笑って言った。
「じゃあ今日は、わたしのお願い、なんでも聞いてください。無理なお願いはしませんから」
「……よし、わかった」
神崎は素直にうなずいた。
食事か、買い物か……そんなところだろうと思っていたのだ。
しかし、奈々子は神崎の予想を遥かに超えたお願いをしたのだった。
「じゃあ……まずは、キス」
「えっ?」
「キスしてください、今すぐ」
そう言うと、奈々子は四つん這いになって、床に座っている神崎に顔を近づけた。
「ダメですか……?」
「でっ、でも……」
「嫌なんですか……」
奈々子が言うと、神崎は小さく息を吐いて、奈々子にキスをした。
「ん……」
軽いキスはやがて、激しく舌を絡め合う濃厚なキスに変わり、二人は自然と抱き合った。
「さっきの質問だけど……」
キスの途中で神崎に言われ、奈々子は唇を離した。
「嫌なんかじゃない。ずっと、こうしたかったんだ」
神崎はそう言うと、奈々子の唇に再びキスをした。
神崎の顔には笑顔が戻っている。
奈々子はにっこり笑ってキスを返し、神崎をぎゅっと抱きしめた。
「次のお願い……いいですか?」
「もちろん」
神崎も奈々子をぎゅっと抱きしめる。
「こんな事言うのはすごく恥ずかしいんですけど……おっぱいもさわってほしいんです……」
「なるほど」
神崎はすぐに奈々子の服とブラジャーををまくり上げ、柔らかな乳房を揉んだ。
「ああ……ん……」
奈々子が快感と喜びの混じった声をあげると、神崎は乳首を優しくつまんで、こねるように刺激した。
「あっ、あん、すごい……うっ……うれしい……ずっと……さわってほしかったのっ……」
奈々子は切なげに喘いだ。
「か、神崎さん……んんっ……あのっ……おち○ちん、入れてくれる……?」
奈々子が言うと、神崎は笑顔で言った。
「おおせの通りに」
神崎は奈々子を毛布の上に寝かせると、ズボンを下ろした。
そして、固く大きくなったものを、ぐっしょりと濡れた奈々子の陰部に押しあてる。
「いくよ……」
「はい」
奈々子がうなずくと、神崎は一気に、それを奈々子の奥深くまでうずめた。
「あぁっ……神崎さん……すごく……すごく……気持ちいい」
「僕もだ……すごく……いいよ……」
神崎が腰を動かすと、奈々子はさらなる快感に飲み込まれ、激しく喘いだ。
「あぁっ……あん……うっ、あん……神崎さ……ん……」
「気持ちいい?」
「はい……」
「なるほど」
神崎はそう言うと、わざとらしくメモをとってみせた。
「ちょっと……」
奈々子は笑った。
神崎も笑うと、メモを放り出し、さらに腰を激しく動かした。
膣の奥を激しく突かれ、奈々子は快感で頭が真っ白になった。
「あっ、あっ、もう……すごく……んっ……もう……ダメ……イッちゃうよぉ……」
「いいよ。イッてごらん」
「あっ、んんっ、イクッ、あん、ああっ──!」
奈々子は神崎の体を強く抱きしめながら、体を痙攣させ、仰け反った。

「はぁ……はぁ……」
「だいじょうぶ?」
「はい……」
神崎は奈々子の横に移動し、奈々子の乳房を撫でた。
「あぁ……神崎さん……そんなことしたら……気持ちいい……」
「うん」
「またしたくなっちゃいます」
「いいよ」
「えへへ……うれしい」
そう言って、奈々子は神崎に抱きついた。
肩を優しく抱いてくれる神崎の手が温かい。
ずっとこうしていたかった。
でも……
奈々子の表情が曇る。
彼は、仕事の途中でちょっと変な気持ちになっただけ。
これは恋愛ではないのだ……
奈々子は意を決し、口を開いた。
「えっと……そろそろ帰らなきゃですよね……あの……時間とらせちゃってすいませんでした。もう何もお願いしないから、安心してくださいね」
泣いてしまいそうなのを必死でこらえ、明るく言って、起き上がる。
「あ、あぁ……」
神崎も起き上がり、二人は黙って服を直した。
「でも……柏木さん」
神崎が口を開いた。
「君のためなら、これからも、どんなお願いだって聞いてあげたいよ」
緊張しているのか、声が震えている。
神崎は奈々子の目をじっと見つめて言った。
「柏木さん……僕と、付き合ってもらえないかな」
奈々子は息をのんだ。
大きく見開いた目から、涙が溢れ出す。
それを見た神崎はあわてて言った。
「あっ、ごめん!そんなの、無理だよね。ひどい事したばかりなのに……また傷つけるような事……ほんと、ごめん!」
奈々子はかぶりを振った。
「いえ、違うんです、すごく、すごく、うれしくて……うれしいです、神崎さん!」
そして、がばっと神崎に抱きついた。
「ほ、ほんとに?」
「ほんとです」
「や、やった……!」
神崎もぎゅっと奈々子を抱きしめる。
「あんなことした後に告白なんて……順番が逆になっちゃったね」
奈々子の頬についた涙を拭いながら、神崎が言った。
「うふふ……そうですね」
奈々子が笑う。
「そうだ、また今度、新しいオモチャの実験に付き合ってもらえるかな」
「えへへ……もちろん、いいですよ!」
「あ、でも、他の奴に言われたら、絶対に、絶対に、断るように」
「了解です」
二人は笑いながら、くしゃくしゃになった毛布の上で、いつまでも抱き合っていた。

おわり